サイトが表示されない・繋がらない。いま確認する5つのこと
いま「サイトが表示されない」「繋がらない」と気づいて、この記事を開いたのではないでしょうか。何が起きているか分からないまま時間だけ過ぎていくのは、それだけで消耗します。まずは落ち着いて、上から順に確認してください。
TL;DR
障害調査には定石の順番があります。いきなりサーバーを疑うと遠回りになりがちです。
- 自分の回線だけの問題でないかを先に切り分ける
- 次にドメイン(期限切れ・失効)を疑う
- 次にDNS(向き先が正しいか)を確認する
- 次にサーバー・ホスティング側の障害情報を見る
- それでも分からなければ直近の変更(設定変更・更新・証明書の期限)を思い出す
この順に潰していけば、自分で直せる問題か、業者に連絡すべき問題かがはっきりします。以下、順番に進みます。
ステップ1:自分だけに見えていないか確認する
最初に確認すべきは、本当に全員に表示されていないのか、自分の環境だけの問題なのかです。ここを飛ばして「サイトが落ちた」と騒ぐと、あとで恥をかくことになりかねません。
- スマホのWi-Fiを切り、4G/5Gの回線でアクセスしてみる(自宅・オフィスのネットワークだけの問題である可能性を消せます)
- 別の場所にいる人(家族・別支店の同僚)に、同じURLを開いてもらう
- Downdetectorのような第三者の障害チェックサービスで、同じドメインを検索してみる(自分以外にも報告が出ていれば、広い範囲の障害である可能性が高まります)
ここで「他の人も見えない」と確認できたら、ステップ2へ進みます。「自分だけ見えない」なら、自分のPC・スマホ・ルーター・契約回線側の問題である可能性が高いため、いったんこの記事の対象からは外れます。
ステップ2:ドメインの期限切れを疑う
非エンジニアが見落としがちな、しかし実際によくある原因がドメインの期限切れです。クレジットカードの更新失敗や、自動更新設定の入れ忘れで、ある日突然ドメインが失効することがあります。
whois コマンド(ドメインの登録情報を照会する仕組み)で確認できます。
whois example.com
出力の中の Registry Expiry Date(または Expiration Date)という行が、そのドメインの有効期限です。この日付が過去になっていたり、近日中に迫っていたりしないか確認してください。コマンドに慣れていない場合は、ブラウザで「whois 検索」と調べると、同じ内容を確認できるWebツールが見つかります。
ドメイン更新の仕組みそのものは事業用ドメインの選び方で解説しています。
ステップ3:DNSの向き先を確認する
ドメインが生きているなら、次はDNS(ドメイン名をサーバーのIPアドレスに変換する仕組み)が正しい向き先を返しているかを確認します。
# 現在設定されているIPアドレスを確認する
dig +short example.com A
# Cloudflareのパブリックリゾルバに問い合わせて確認する
dig @1.1.1.1 example.com A
# Windowsの場合
nslookup example.com
想定しているサーバーのIPアドレスと、コマンドの出力結果が一致しているかを見ます。何も返ってこない、またはまったく知らないIPアドレスが返ってくる場合は、DNS設定側に問題がある可能性が高いです。レコードの種類や設定の基本はDNSレコードとは何かで解説しています。
ステップ4:サーバー・ホスティング側の障害情報を確認する
ドメインもDNSも問題なさそうなら、契約しているVPSやレンタルサーバー側で障害が起きていないかを確認します。
- 契約しているサービスの管理画面(コントロールパネル)にログインできるかをまず確認する
- サービス提供元の障害情報ページ・ステータスページを確認する(多くのVPS・レンタルサーバー事業者が公式サイト上に用意しています)
curlコマンドでサーバーの応答自体を確認する
# HTTPステータスコードとヘッダーだけを確認する
curl -I https://example.com
# 詳細な通信過程(SSL証明書の情報を含む)を確認する
curl -v https://example.com
curl -I の結果が 200番台であれば表示自体はできています。500番台が返る場合はサーバー・アプリケーション側のエラー、接続自体がタイムアウトする場合はサーバーが応答していない可能性が高いです。
ステップ5:直近の変更を疑う
ここまでで原因が絞れない場合、直近で何か変更・更新をしていないかを思い出してください。
- サーバーやCMS(WordPress等)のアップデートを最近行った
- DNSやCDN(Cloudflare等)の設定をいじった
- SSL証明書の期限が切れた(
curl -vの出力にSSL関連のエラーが出ていないか確認) - 契約プランやドメインの支払い方法を変更した
「何もしていないはずなのに」と思っても、他の担当者や自動更新の失敗が絡んでいることもあります。ここで思い当たることがあれば、それが最有力の原因です。
自力で直せない場合、誰に連絡すべきか
ステップ1〜5をひと通り確認しても原因が特定できない、あるいは特定できても自力では直せない場合は、契約しているサーバー会社・ホスティング事業者のサポート窓口に連絡するのが現実的な選択です。連絡する際は、ここまで確認した内容(whois・dig・curlの結果)をそのまま伝えると、対応が早くなります。
上司への報告が必要な場面では、原因が分からない段階でも「今どこまで確認済みか」を淡々と伝えられれば十分です。想定問答は会議で聞かれる20の質問と返し方にまとめています。
再発防止:監視ツールを入れる
今回のように「気づくのが遅れた」場合は、次回に備えて外形監視ツール(サーバーが実際に応答するかを外部から定期的にチェックする仕組み)を導入しておくと、落ちた瞬間に通知が届くようになります。導入手順はWebサイト死活監視の始め方で解説しています。
まとめ
| 順番 | 確認すること | 使うコマンド・手段 |
|---|---|---|
| 1 | 自分だけに見えていないか | 4G回線・別の人に確認 |
| 2 | ドメインが失効していないか | whois example.com |
| 3 | DNSの向き先が正しいか | dig +short example.com A / nslookup |
| 4 | サーバー側で障害が起きていないか | 管理画面・障害情報ページ・curl -I |
| 5 | 直近の変更が原因でないか | SSL証明書・設定変更の記憶を辿る |
この順番通りに進めれば、少なくとも「どこまでは確認済みで、どこから先が分からないか」がはっきりします。それだけで、サポート窓口への連絡もスムーズになります。