AWS SAAの勉強時間は?公式情報と実務経験による差
※本記事はアフィリエイト広告を含みます(2026年9月確認)。
はじめに
AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト(AWS SAA)の受験を検討するとき、多くの方がまず「勉強時間は何時間必要なのか」を検索します。
しかし、勉強時間の数字を探しながら、「今の自分の知識で本当に合格できるのだろうか」「準備にどれだけの時間を割けば無駄なく合格水準に届くのか」と不安を感じていませんか。
Web上の情報を見ると、特定の勉強時間の数字を掲げた記事が並んでいます。しかしそれらの数字は、自社講座の受講生データや、特定の1社の社員数、個人の体験記録などから算出されたものです。
この記事では、AWS公式が発表している客観的な情報と第三者の主張を整理し、自身の前提知識をもとに現実的な学習計画を組み立てるための判断材料をまとめました。
結論:公式の目安はなく、実務経験で大きく変わる
まず押さえておくべき結論は以下の2点です。
- AWS公式は勉強時間の目安を公表していない:
AWSの試験ガイドや認定ページにおいて、「〇時間勉強すれば合格できる」といった公式の時間は案内されていません。 - 第三者の主張はおよそ 60〜300時間 と幅がある:
学習サイトや合格体験談が提示する時間は 60〜300時間 と開きがあります。
この差を生み出している最大の要因は、受験者が持つ実務経験の違いです。業務でAWSやインフラに触れているか、あるいはITの基礎知識がどの程度あるかによって、必要な学習時間は大きく変動します。
AWS SAA(SAA-C03)の基本仕様
学習時間を計画する前提として、試験の基本的なルールと仕様を把握しておきましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 試験コード | SAA-C03(現行コード。後継は2026年9月時点で公表されていません) |
| 問題数 | 65問(採点対象50問 + 採点されないテスト問題15問)※どれが非採点かは開示されません |
| 試験時間 | 130分 |
| 出題形式 | 択一選択(正解1つ・誤答3つ)および複数選択(5つ以上の選択肢から2つ以上)。減点方式ではないため推測回答へのペナルティなし |
| 合格点 | 720 / 1,000(スケールスコア 100〜1,000)。分野別の足切りはなく全体スコアで判定 |
| 受験料 | 150 USD(日本円の受験料は為替レートを反映して毎年4月に改定されます) |
| 受験言語・時間 | 日本語のオンライン受験は月〜土の 9時〜16時(日本時間)。試験中に英語表記への切り替えが可能 |
| 認定有効期間 | 3年(最新試験の再受験、または Professional 認定の取得で更新) |
| 次回特典 | 認定を取得すると、次回のAWS認定試験の受験料が 50% 割引になる特典が付与 |
出題分野と配点比率(時間配分の考え方)
試験の出題内容は4つの分野(ドメイン)に分かれており、それぞれ配点比率が異なります。
| 分野 | 配点比率 |
|---|---|
| ドメイン1: セキュアなアーキテクチャの設計 | 30% |
| ドメイン2: 弾力性に優れたアーキテクチャの設計 | 26% |
| ドメイン3: 高性能なアーキテクチャの設計 | 24% |
| ドメイン4: コストを最適化したアーキテクチャの設計 | 20% |
学習時間を効率的に配分するうえで、この配点比率は重要な指標になります。
ドメイン1(セキュアな設計:30%)とドメイン2(弾力性のある設計:26%)の2つだけで、配点の過半を占めています。限られた学習時間の中で得点を伸ばすには、配点の高いIAM、VPC、ネットワークセキュリティ、マルチAZ構成やAuto Scalingなどの冗長化設計に手厚く時間を割く配分が合理的です。
勉強時間の数字は「誰が何を数えたもの」なのか
検索結果で見かける勉強時間の数字について、公表元の前提条件を整理します。
- AWS公式:
前述の通り、公式の学習時間に関する数値は公表していません。 - infla-lab:
IT未経験の場合は 150〜300時間、IT基礎知識がある場合は 80〜120時間 という区分を提示しています。 - CloudTech:
自社が提供する講座の受講生データとして、未経験者 150〜200時間、経験者 80〜120時間 を挙げています。 - レバテック:
学習事例の1つとして、文系出身者が 89時間 の学習で合格した事例を掲載しています。 - noteなどの個人投稿:
短期間での合格事例として、約 60時間 で合格したとする個人の記録が存在します。 - Web上の「152名」という数字:
「152名」という数字を見出しに含むページがありますが、これはAWSトレーニングパートナーであるALH社内においてSAA資格を保有している社員の人数(自社実績)であり、独立した合格者調査の母数ではありません。
このように、各メディアが掲げる時間は、受講生の平均値や単一の受講事例など、異なる条件に基づいています。提示されている数値を鵜呑みにせず、自分の現在の経験値と照らし合わせることが大切です。
自分の勉強時間を見積もる判断軸
勉強時間を考える際は、第三者の数字をそのまま当てはめるのではなく、AWSが公式に案内している「想定受験者像」を物差しにして、自分がどの位置にいるかを確認することが出発点になります。
AWSの認定概要では、想定受験者像として以下の記述があります。
- 「AWSにおけるワークロードの設計について、1年 以上の実務経験が想定されている」
- 「IT実務経験が 1〜3年 の受験者も準備して取得している」
- 「ITの実務経験がない人は、先に AWS Certified Cloud Practitioner を取得すると役立つ」
この公式基準を踏まえると、読者の立ち位置によって学習のアプローチは以下のように分かれます。
AWSやクラウドの設計・運用経験がある場合
すでに業務でAWSを操作している場合、ネットワークの基本概念やサーバー設計の理解があるため、試験特有のベストプラクティスやサービスの使い分けの整理に集中できます。
(この層の物差しになるのは、AWSが想定受験者像として示している「AWSにおけるワークロードの設計について 1年 以上の実務経験」です。この記事で取り上げた第三者の数字には、AWSの設計・運用経験者だけを数えたものはありません。)
ITの基礎知識はあるがAWSの実務経験は浅い場合
オンプレミス環境のインフラ運用やWeb開発などのIT実務経験はあるものの、AWS特有のサービス群に不慣れな場合は、IAMやVPCをはじめとするクラウド設計思想のインプットに一定の学習量が必要となります。
(参考として、infla-labは「IT基礎知識あり」を対象とした区分として 80〜120時間、CloudTechは自社講座の受講生のうち「経験者」のデータとして 80〜120時間 という幅を提示しています。)
ITの実務経験がない場合
ネットワークやOSの基礎概念から習得する必要があるため、学習内容は広範にわたります。AWS公式が案内している通り、まずは基礎レベルの認定である Cloud Practitioner から着手し、クラウドの全体像を理解してから段階的にSAAへ進むアプローチが推奨されています。
(参考として、自社講座の受講生を対象としたCloudTechのデータでは「未経験者」に 150〜200時間、infla-labでは「IT未経験」に 150〜300時間 という区分が提示されています。)
なお、IT業界の経験がない状態からインフラの基礎知識を順を追って学びたい場合は、インフラ基礎を映像形式で学べるオンラインスクールを活用して土台を作る選択肢もあります。
ササエルはインフラエンジニアに特化したオンラインスクールで、初級コース(税込 19,800円)ではIT業界未経験者を対象に基礎知識を映像教材で学習するカリキュラムが提供されています。
公式の対策教材と民間の問題集
AWSは試験対策として以下の公式リソースを提供しています。
- 公式模擬試験(Official Practice Exam):
本番の出題形式や難易度を事前に体感できる模擬試験です。 - Exam Prep コース:
6〜8時間 分の教材を含む公式の学習コースです。 - 公式サブスクリプション:
個人向けサブスクリプションは月29ドルから提供されています。どの範囲が無償で提供されているかは、AWS公式サイトの該当ページで確認してください。
民間の対策問題集(zero to one)
公式教材のほかに、民間のオンライン問題集を活用して演習量を補う方法もあります。
zero to one「AWS認定試験実践トレーニング SAA編」
zero to one は、Whizlabs 社の問題集を日本語化したオンライン学習教材です(※AWS公式の教材ではありません)。SAA編の定価は 4,950円 で、英語と日本語の対訳表示に対応しています。
不合格だったときの振り返りと再受験のルール
万が一不合格になってしまった場合でも、試験の採点構造を理解していれば効率的に再挑戦の計画を立てることができます。
SAAの試験結果は 100〜1,000 点のスケールスコアで判定され、合格ラインは 720 点です。重要な点として、分野ごとの足切り基準は設定されていません。全体の合計スコアが720点に届けば合格となります。
そのため、不合格だった場合は配点比率の高い「ドメイン1: セキュア(30%)」や「ドメイン2: 弾力性(26%)」の理解が不足していなかったかを見直し、配点の大きい領域から復習するのが得点を底上げするうえで合理的です。
再受験(リテイク)に関する公式規則
AWSの公式ポリシーでは、不合格になった場合、不合格の日から 14日 が経過すると再受験が可能になります。受験回数に制限はありませんが、再受験ごとに登録料金の全額(150 USD)を支払う必要があります。なお、一度合格した認定試験については、2年間 は同じ試験を再受験することはできません。
資格取得の次へ(実務経験がある人向け)
本節で紹介する求人・案件案内は、いずれもクラウドやインフラなどの実務経験をお持ちの方向けの案内です。実務経験がない方には適していません。
実務経験のある方が、資格で体系化した知識を業務やキャリアで活かしたい場合、現在の経験内容に合った窓口を選択するのが確実です。
- 社内SE転職ナビ:
社内SE・情シスとして自社のAWS環境やインフラ運用を担当されている実務経験者向けの転職エージェントです。
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- TechClipsエージェント:
年収 500万円 以上の高待遇求人のみを扱う、インフラ・クラウド実務経験者向けの転職エージェントです。
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実務経験を活かして業務委託の案件を探すフリーランス向けの案件紹介サービスです(実務経験がない場合は案件が紹介されないことがあります)。
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まとめ
AWS SAAの勉強時間には、公式が定めた単一の基準はありません。第三者が掲げる 60〜300時間 という数字も、それぞれの受講環境や前提スキルの違いを反映したものです。
AWS SAAは取得から 3年 間有効な資格です。他人の勉強時間や短期合格の体験談に惑わされず、自身の実務経験と出題分野の配点比率(セキュア30%、弾力性26%)を考慮しながら、無理のない学習スケジュールを組んで合格を目指してください。