外資エンジニアに英語は必須?求人票7件の「必須」と「歓迎」を並べてみた
本記事はアフィリエイト広告(A8.net)を含みます。求人票は2026年9月30日時点で公開されていたもの、料金と制度は2026年9月30日に確認した公式ページの表示にもとづきます。
基本資格:「ビジネスレベル以上(N1以上)の日本語での流暢な会話・読み書き能力」 歓迎資格:「あらゆる階層のステークホルダーと円滑にやり取りするための、英語での書面および口頭によるコミュニケーション能力の使用経験」
これは、Amazon Web Services Japan が出していたソリューションアーキテクト(顧客の設計相談に乗る技術職)の求人票の、言語についての行です。応募の条件に入っていたのは日本語で、英語は「あれば歓迎」の側にありました。
英語ができないから外資は無理だと、求人票を開く前に決めてしまっていた、という人は少なくないと思います。
この記事では、外資のエンジニア求人7件の言語の条件を、求人票の原文へのリンクつきで並べます。そのうえで、年収の公開データと、英語がどこまで必要かを職種ごとに分けた表を置きます。読み終えたときに、自分が英語に時間を使うべき立場なのかどうかを、求人票の文面から判断できるようにするのが目的です。
外資の求人票7件、言語の「必須」と「歓迎」
技術で評価されたいのに、英語という別の試験で落とされるのは納得がいかない。そう感じたことがあるなら、その感覚は半分当たっています。下の表で、応募の条件に日本語を書いていた求人のほうが多かったからです。
2026年9月30日時点で公開されていた7件です。出典の列から、求人票の原文を開けます。
| 会社 | 職種 | 日本語 | 英語 | 出典 |
|---|---|---|---|---|
| Amazon Web Services Japan | Senior Analytics Specialist Solutions Architect | 基本資格(ビジネスレベル以上・N1以上) | 歓迎資格 | 求人票 |
| Amazon Japan | Technical Account Manager, Amazon Fuse | 基本資格(流暢) | 基本資格(書面・口頭) | 求人票 |
| Amazon Japan | Senior TAM, Amazon Smart Vehicles | 基本資格(流暢) | 資格欄には無し。業務内容に「英語での報告」 | 求人票 |
| Datadog | Field CTO (Japan) | ネイティブレベル | 話す・書くの両方で高い力 | 求人票 |
| Figma | Technical Account Manager | professional fluency(required) | professional fluency(required) | 求人票 |
| Grafana Labs | Senior Solutions Engineer, Tokyo(リモート) | 記載なし | 言語名の記載なし。書面・口頭のコミュニケーション力 | 求人票 |
| Cloudflare | Senior Customer Engineer, Japan | 言語要件の記載なし | 言語要件の記載なし(求人票は英語) | 求人票 |
数えると、次のようになります。
- 日本語を求める記述があった求人は5件
- 英語を応募の条件として明記していた求人は3件(Amazon Fuse・Datadog・Figma)
- 英語が歓迎欄だけだった求人は1件(AWS のソリューションアーキテクト)
- TOEIC などの点数条件は、7件のどれにもありませんでした
Amazon Smart Vehicles の求人は、読んでおく値打ちがあります。英語は資格欄に無く、業務内容のほうに出てきます。グローバルの経営層に技術の進み具合を英語で報告する、という一文で、必要に応じて AI ツールを使って日本語から英語にする、と書かれています。
Grafana Labs の求人には言語名が出てきません。求めているのは「リモート中心の社内チームと、世界中の顧客」とやり取りする書面・口頭の力です。Cloudflare の求人には、言語の行そのものが見つかりませんでした。どちらも「日本語がいらない」と書かれているわけではありません。
Datadog の Field CTO は役員層と話す職です。ここで求められる水準を、ほかの求人にそのまま当てはめないでください。
もう一つ、この表の限界を書いておきます。7件はすべて、顧客と向き合う技術職です。開発職や SRE(サービスを止めずに動かし続ける運用の専門職)の求人は入っていません。7件は内容を確認できた求人であって、外資全体を代表するものでもありません。
日本にある外資のエンジニア職は、多くが「お客さんと話す仕事」
顧客対応の職ばかりになったことと、向きがそろう説明があります。
転職エージェントの JAC Recruitment は、外資系企業の年収を扱ったページで、外資系IT企業について「開発部門が日本国内にないことが大半」と書いています。日本法人の役割は、本国で開発した製品を日本の顧客に売り込み、サポートすること。そのためプリセールスやカスタマーサクセスなど、技術の面から顧客を支えるポジションしかないケースが多い、というのが JAC の説明です。
表の職種名を見直すと、この説明と向きがそろっています。ソリューションアーキテクト、テクニカルアカウントマネージャー(契約後の顧客を技術面で担当する職)、カスタマーエンジニア、ソリューションエンジニア。どれも、顧客の前で技術を説明する仕事です。
参考までに、amazon.jobs で日本の求人を「site reliability」で検索したところ、2026年9月30日時点で0件でした。「cloud support engineer」(Tokyo)も0件です。言えるのは、この二つの語で検索した結果がそうだった、というところまでです。
顧客が日本の会社なら、仕事で使う言葉は日本語になります。求人票が N1 やネイティブレベルの日本語を条件に置くのは、そのためだと読めます。SIer で客先の担当者に構成を説明してきた経験は、これらの求人が日本語で求めている力と同じ向きにあります。経験年数など、ほかの条件は求人ごとに違います。
外資は本当に稼げるのか
英語の話の前に、そもそもの動機である年収を見ておきます。公開されているデータは四つあり、どれも見ている範囲が違います。
エージェントの紹介実績では、レンジが大きく重なる
JAC が同じページに載せている IT 系職種の年収レンジです。JAC が紹介した人の2024年の実績で、変動ボーナスを除いた額です。市場全体の数字でも、中央値でもありません。
| 職種 | 外資 | 日系 |
|---|---|---|
| SE | 600〜1,200万円 | 500〜1,200万円 |
| テクニカルサポート | 600〜1,000万円 | 500〜800万円 |
| ネットワークエンジニア | 600〜1,000万円 | 500〜1,100万円 |
| ITコンサルタント | 400〜1,500万円 | 600〜1,200万円 |
SE は上限が同じです。ネットワークエンジニアは、日系の上限のほうが高くなっています。
同じページには年代別の平均もあります(こちらは IT 職に限らない数字です)。30代では外資系が700万円程度、日系との差額は30万円程度でした。変動ボーナスを除いた部分では、差は大きくありません。
自己申告のデータでは、上の層ほど差が開く
levels.fyi は、利用者が自分の年収を投稿するサイトです。数字は自己申告で、株式報酬を含んだ総額です。大手 IT や英語で働く人の投稿に偏ります。
日本のソフトウェアエンジニア全体では、中央値が約865万円でした。下から四分の一の位置が662万円、上から四分の一の位置が1,213万円、上位一割に入る境目が1,806万円です。上に行くほど幅が広がります。
会社ごとの中央値は、Google の日本が約2,540万円、Mercari が約870万円、LINE が約947万円です。ただしこれはソフトウェアエンジニア、つまり開発職の数字です。JAC の説明どおり、日本法人の求人の中心が顧客対応の職だとすると、同じ額が当てはまるとは限りません。
顧客対応の職の例を一つ挙げると、表の Grafana Labs の求人票には、日本での OTE が 1,400〜1,850万円と書かれています。OTE は、目標を達成したときの成果報酬を含んだ年収のことです。これはひとつの会社の、ひとつの求人の額です。
口コミサイトのデータを使った記事もあります。日経クロステック Active は OpenWork の2024年のデータをもとに、日本の主要 IT ベンダーで最も給与が高い野村総合研究所が940万円、外資系大手 IT で最も高いシスコシステムズが1,216万円で、250万円以上の差があったと書いています。こちらも口コミの自己申告です。同じ記事には、転職支援の担当者が「実際は英語力を求めない求人も多い」と声をそろえる、という一文もあります。
差は毎年縮んでいる、という調査
TokyoDev の Developer Survey 2025 は、日本で働く外国籍の開発者が中心の調査で、日本人エンジニアを調べたものではありません。この調査の回答者(外国籍の開発者が中心)では、海外企業の日本法人で働く人のほうが日本本社の会社で働く人より年収が高く、その差は2022年の93%をピークに、2023年は73%、2024年は47%、2025年は35%と毎年縮んでいます。同じ調査は、縮んだ主な理由を、日本法人の側の報酬が下がったためだと説明しています。
雇用のリスク
JAC は同じページで、営業キャッシュフローが赤字で、資金調達によって拡大しているタイプの企業は、景気後退の進み具合によって採用ストップや人員削減になる可能性がある、と注意を書いています。
二次情報ですが、ワンキャリア転職の記事は、2025年は外資 IT 企業で大規模なレイオフが相次ぎ、マイクロソフトやアマゾンで人員削減が計画される、と書いています。これは計画の話で、記事の無料で読める範囲には、日本法人で何人だったのかは書かれていませんでした。
四つを並べて言えるのは、「外資だから高い」とはこの数字からは言い切れない、ということです。大きな差が出ているのは一部の会社と上の層で、エージェントの実績ではレンジが重なっています。
同年代で外資に移った人の年収を聞いて悔しくなるのも、切られたら家族にどう話すのかと考えて求人を閉じるのも、どちらもおかしな反応ではありません。片方だけを見て決めなくていい、というのがデータの示すところです。
英語がどれだけ効くか、自分の行を決める判定表
ここまでの材料を、目指す仕事ごとに分けます。必要な英語は、行によって変わります。
| 行 | 目指す仕事 | 日本語 | 必要な英語 | 最初にやること |
|---|---|---|---|---|
| ① | 国内の顧客を担当する SA・TAM | 必須 | 読む・書くが中心。社内や本社への報告で使う | 気になる求人票の基本資格と業務内容を読み、英語がどの欄にあるかを確かめる |
| ② | 本社や海外の顧客と直接話す職 | 求人による | 読む・書く・話すのすべて | 話す場面(会議・説明・質疑)を書き出し、そこに絞って練習する |
| ③ | リモートで世界の顧客を担当する職 | 求人による | 話すと書くが中心 | 英語の求人票を原文で読み、求められるやり取りの相手を確かめる |
| ④ | 日系で技術を伸ばす | 必須 | 読むが中心 | 英語より先に、扱える技術の範囲を広げる |
表の求人に当てはめると、AWS のソリューションアーキテクトと Amazon Smart Vehicles は①に近い書き方でした。Amazon Fuse・Datadog・Figma は、英語が応募の条件に入っている点で②に近く、Grafana Labs は③に近い書き方です。
①に近い2件では、英語は基本資格にありません。AWS のソリューションアーキテクトでは歓迎資格に、Smart Vehicles では業務内容の報告に出てきます。Smart Vehicles の求人票が AI ツールの利用を業務の説明に書いていたように、読み書きは道具で補える場面があります。
②に近い3件では、話す英語が応募の条件に書かれていました。③の Grafana Labs は言語名を書いていませんが、世界中の顧客と口頭でやり取りする力を求めています。
英語のドキュメントは読めるけれど、それは翻訳ツールのおかげで、会議で話を振られたら固まってしまう。そう感じている人もいると思います。読み書きを道具で埋めているのは、手抜きではありません。足りないのが話す場面だけだと分かっているなら、鍛える範囲はすでに絞れています。
④の行を選ぶなら、英語より先に、扱える技術の範囲を広げるほうが目的に合います。働き方そのものを変える選択肢は、フリーランスエージェントに登録する前に確かめることと、社内SE への転職で先に見ておく公開記録を別の記事にまとめています。
英語をやるなら、「何のための英語か」を一つに決める
読み書きについては、道具でしのいでいるという声があります。どちらも数年前に書かれた個人の体験で、一人ずつの話です。
ある元インフラエンジニアは、外資に転職したあとのブログにこう書いています。
ライティングとリーディングは文明の利器を使うことで難を逃れておりますが、会話はそうもいきません
Yahoo!知恵袋の回答にも、「技術力があればGoogle翻訳程度で内容を理解することはできます」という個人の体験がありました。
二人とも、読むことは道具で済ませています。会話はそうはいかない、と書いているのはブログのほうです。会議では、相手の発言を翻訳にかけて、返事を組み立てて、また翻訳にかける時間がありません。
以前に英会話を契約して、途中から予約を入れなくなった経験がある人もいると思います。続かなかったのは、目的が「英語全般」だったからかもしれません。全部を上げようとすると、何をどこまでやれば終わりなのかが見えなくなります。
判定表の②か③の行にいて、足りないのが話す英語だと分かっているなら、目的は「会議で技術の説明をして、質問に答える」の一つに絞れます。①や④の行なら、読み書きを道具で補う今のやり方を続ける、というのも筋の通った選択です。
話す英語に絞って鍛えたい人へ:英語コーチングという選択肢
話す英語に絞ると決めた人には、英語コーチングという方法があります。レッスンの時間だけでなく、毎日の学習の中身と量を、担当者と一緒に決めて進める形のサービスです。
そのひとつがトライズです。目標に応じて、受講期間や学習内容まで個別に設計する英語コーチングで、次の特徴があります。
- 一人ひとりに合わせて学習の計画を組む
- 専属の日本人コンサルタントが付く
- ネイティブコーチとの実践的な英会話レッスンがある
- インプットとアウトプットの両方を行う
- 学習量は1日3時間が目安(全員に共通ではありません)
期間の目安は、短期集中が2〜3ヶ月、中期が3〜6ヶ月、総合が6〜12ヶ月で、個人差があります。
料金は、公式サイトの表示で次のとおりです。
| コース | 期間 | 一括払いの料金(税込) |
|---|---|---|
| スピーキング本科 | 12ヶ月 | 961,400円〜(特別割引適用の料金。受講月数やレッスン回数などで変動する) |
| スピーキング本科 | 6ヶ月 | 778,800円(特別割引適用の料金) |
| 英語プレゼン実践コース・実践ファシリテーションコース | 3ヶ月 | 552,332円 |
出典: トライズ公式サイトのコース・料金ページ(スピーキング本科・英語プレゼン実践コース・実践ファシリテーションコース、2026年9月30日に確認)
ほかのコースや月払いの額は、確認できていないのでここには載せていません。申し込む前に、公式の表示で額を確かめてください。
全額返金の条件は二つそろう必要があります。一括払いであること、そして受講開始から1ヶ月以内に退会することです。月払いは対象外です。
成果の出方は人によって違います。1日3時間という学習量を、今の仕事と並べて続けられるかどうかは、申し込む前に自分で見積もるところです。
無料カウンセリングは、受けたからといって申し込む必要はありません。また続かなかったらどうしよう、という不安は、そのまま質問にしてかまいません。続けるための仕組みがどうなっているのか、合わなかったときはどうなるのかを聞いて、答えに納得できなければ、そこでやめておけばいい話です。
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英語コーチングが向かない人
次に当てはまる人には、上の案内を向けていません。
- 判定表の④の行にいる人。 日系で技術を伸ばすなら、同じ時間とお金を技術に使うほうが目的に合います。
- 読み書きだけ足りればいい人。 ①の行で、英語が入社後の報告に限られるなら、道具で補うやり方から始められます。
- 気になる求人票をまだ読んでいない人。 先に求人票を数枚読んで、英語がどの欄に書かれているかを確かめてください。行が決まる前に申し込むと、何のための英語かが決まらないまま始めることになります。
- 1日3時間を目安とする学習の時間が取れない人。 夜間対応や休日の作業が多い時期は、始める時期をずらすほうが無難です。
- 上の料金が予算に合わない人。 無理をして払うものではありません。
公的な給付金は使えるか
先に、使えない場合から書きます。教育訓練給付は雇用保険の制度です。雇用保険の条件を満たさないと使えません。
ハローワークの案内によると、一般教育訓練給付の対象になるのは次の人です。
- 雇用保険の被保険者で、受講開始日に、雇用保険に加入していた期間が3年以上ある人
- 離職した人のうち、離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、加入していた期間が3年以上ある人
- 初めて受給する人は、加入していた期間が1年以上あれば受給できる
受講開始日の前日から3年以内に教育訓練給付金を受けたことがある場合は、支給されません。
会社員として雇用保険に入っている人は、加入期間を確かめてください。独立して働いている人は、離職からの期間と加入期間によって、使える場合と使えない場合に分かれます。自分がどちらになるかは、ハローワークで確認できます。
給付の額は、厚生労働省のページによると、教育訓練経費の20%(上限10万円)で、訓練を修了したあとに支給されます。
トライズは、一部のコースがこの一般教育訓練給付制度の対象だとサイトに書いています。自分の受けたいコースが対象かどうかは、厚生労働省の教育訓練給付の講座検索システムで調べ、カウンセリングでも確かめてください。トライズのサイトには、キャンペーンなどで割引された金額は支給の対象にならない、という注意もあります。
まとめ
求人票7件を並べて分かったのは、次のことです。
- 日本語を条件に書いていた求人が5件、英語を応募の条件に書いていた求人が3件。TOEIC の点数条件は7件のどれにも無かった
- 7件はすべて顧客と向き合う技術職で、JAC は外資系 IT 企業について「開発部門が日本国内にないことが大半」と書いている
- 年収は、自己申告のデータでは上の層で大きな差があり、エージェントの実績ではレンジが重なる
- 英語がどこまで必要かは、判定表のどの行を目指すかで変わる
英語に時間をかけて、それでも受からなかったら全部ムダになる。その怖さで手が止まっているなら、順番を入れ替えてみてください。先に求人票を読み、自分の行を決める。英語にどれだけ時間を使うかを決めるのは、そのあとでも遅くありません。
行が①か④なら、今は技術と日本語での説明力を伸ばす時期です。行が②か③で、足りないのが話す英語なら、範囲を会議と説明の英語に絞って始められます。